相続放棄をするとペットを引き取れなくなるのか
1 原則として被相続人の財産は取得できない
相続放棄をすると、初めから相続人ではなかったことになります。
被相続人のペットは、法律上は被相続人が所有していた物として扱われることから、被相続人の財産の一部とみなされるため、原則として相続放棄をするとペットも取得できなくなると考えることができます。
2 相続放棄の法的効果について
民法第939条によれば、相続放棄をすると、相続開始時にさかのぼって、最初から相続人ではなかった扱いになる旨が定められています。
【参考条文】
(相続の放棄の効力)
第九百三十九条 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。
参考リンク:e-Gov法令検索(民法)・相続の放棄の効力
これにより、被相続人のプラス財産を取得できなくなりますが、借金などのマイナス財産の負担も免れることができます。
そのため、管理できない原野など、不要な財産を取得せずに済みますが、ペットのような大切な存在も、基本的には取得することができなくなります。
相続放棄をした後は、同じ順位の相続人か、次順位の相続人がペットを含む相続財産を引き継ぐことになります。
そのため、どうしてもペットを引き取りたい場合は、原則として相続放棄以外の選択肢を検討する必要があります。
3 形見分け程度の相続財産の取得は認められる可能性がある
民法921条第1号により、相続放棄をする場合には、被相続人の財産を取得することは原則として認められていません。
【参考条文】
(法定単純承認)
第九百二十一条 次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
(第2号以下略)
参考リンク:e-Gov法令検索(民法)・法定単純承認
ただし、形見分け程度のものであれば、取得をしても法定単純承認には当たらない旨を示した裁判例も存在します。
どの程度の財産の取得が形見分けに該当するかについては、具体的に示されているわけではないため、ペットの引き取りが形見分けといえるか否かについては、専門家を交えて個別に検討をする必要があります。
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